小学校と中学校は、学校給食だった
今週のお題は「給食」。今になってみるととても幸いなことに、小中ともに学校内に給食室がある環境だったので、都合9年間、あたたかい給食を食べ続けることができた。だから午前中の授業は昼が近くなってくると美味しそうな匂いが漂ってくることが少なからずあって、空腹感をよけいに増やしてくれるものだった。
パンも地元の業者から焼き上がってからそんなに時間が経っていないものが毎日届き、牛乳もこれまた地元の業者からの製品が届けられていて、実に恵まれた環境にあったことを、ほんとうに感謝したい。
そんな給食は美味しい想い出ばかり……かというと、そうではなく、小学生の頃、二度ばかりどうしても食べることができずに悲しい思いをした記憶がある。
一つはにんじんの細切りのバターソテー。これが添え物程度のほんの少しとかだったならそこまで悲惨なことにはならなかっただろうが、これでもかというくらいの量で、ほとんど食べ進めることができなかった。好き嫌いとかいうレベルでは無い量だった。で、その後また給食に登場した記憶が無いことからすると、ひょっとすると不評だったのではないのかと、今にしてみれば思えたりもする。
もう一つは、白玉が甘い汁に入ったもの。なぜかこれが汁物のおかずとして登場したことがあり、甘みが強烈すぎたのか、完食できなかった記憶がある。これまたその後に出たことがないので、やはり不評だったのかもしれない。
そんなことがあっても、総じて見れば、やはり温かい給食が毎日食べられたということは、良い想い出だ。
そういえば、給食室は、年に1、2度の火災(避難)訓練の時、たいてい出火元に設定されていた。まあ、日常的に大規模に日を扱ってるところだけにそういうものだったのかもしれない。
さて、高校になったら給食は無くなった。代わりに簡素な学生食堂があって、定番メニューはうどんに蕎麦、それとカレーだった。あまり広いところでも無かったので、周辺の店でパンを買ったり、スーパーのイートインのジャンクフードやら、本当は校則違反だったのかもしれない、喫茶店でとか、いろいろ(ある意味では変な方向に)バリエーションが広がったように思う。
給食。今となれば、ただただ懐かしい。何が好きだったろう? カレーならぬカレー汁、焼きそば、フルーツポンチ、ぱっと思いつくのはそんなところだろうか。
他には何があっただろう。トマトが出たときには丸ごと一つだっただろうか? それとも半分に切ってあっただろうか? キュウリは半分か三分の一位に切ってあったように思う。別に味噌がついてきて、もろきゅう状態。ミルメークはあまりよく溶けなかったような気がする。パンに付けるジャムは、いちご、チョコ、ママレードあたりだったろうか。そういえば耳の部分もスライスされて入っていて、焦げすぎていなくて香りが良いのでけっこう取り合いになっていたような気がする。
なにもかも懐かしい。
2015年 映画私的トップ10
まだ
12月30日ではあるけれども、明日はもう劇場には行かないだろうから、本日をもって今年の映画館通いも最後ということで、この一年間に観た新作扱いの作品を自分的に10本選んでみたい。
これよりランキング
かげきにいこう!
斉木久美子「かげきしょうじょ!!」は、もともとは集英社のジャンプ改で「かげきしょうじょ!」として連載していた作品。それがジャンプ改の休刊(2014年11月号が最終号)で白泉社のメロディに移籍して、感嘆符が一つ増えて連載されるようになったいきさつがある。
かげきといっても「過激」ではない。いや、もしかすると作者の意図としてはそれを匂わせているのかもしれないが、ストレートに通じているのは「歌劇」だ。歌劇で少女、そう、それは明らかに宝塚歌劇団をモデルにした、神戸にある歌劇団(作中では紅華歌劇団となっている)の専属養成校、紅華歌劇音楽学校を舞台にしている、「かげきしょうじょ!!」は、そこに集う少女たちが繰り広げるドラマが描かれる作品だ。
そして先月、コミックスの第1巻が発売された。
- 作者: 斉木久美子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2015/11/05
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……という文章を書くつもりでいたら、ねとらぼで虚構新聞社主UK氏がすっきりとレビューにまとめられているのに気づいてしまった。
細かいストーリーについてはこちらのレビューが参考になると思う。
紅華歌劇団――メロディでの掲載第1話の冒頭では、このように紹介されている。
大正時代に創設され、未婚の女性だけで構成された歌劇団。
そして引き続き、物語についてはこう説明されている。
この物語は、そこに入団する人材を育成する音楽学校の創立100年目に入学した、二人の奇才とその仲間たちの青春を描くものです。
そんな物語は、作者によれば集英社版を知らずとも白泉社メロディ版を楽しめるようになっていると言う。確かにその通りで、自分もメロディで掲載されるようになってから読み始めた口だが、冒頭の説明と簡単な人物紹介、そして何よりも物語の運び方ですんなりと読み進めることができた。
雑誌掲載時に印象に残ったのは、新生コミックス1巻の第2幕、あの大戦の時代の歌劇団の回想とそれを踏まえての現在を語るさりげない1シーン。「白薔薇のプリンス」たちの半生を思い浮かばされるような重みが実にさりげなく描かれている。
そして白泉社メロディ版だけでも楽しめると作者は言っているが、ダブル・ヒロインの一人、「奈良っち」の過去が描かれる集英社版の第2巻は必見! 長く店頭在庫もなくなり印刷物としては入手しづらい状況が続いていたものの、このたび再版がかかったとのこと。入学式当時の初々しいエピソードが収録されている第1巻ととあわせて是非ともフォローしておきたいところ。
- 作者: 斉木久美子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/05/10
- メディア: コミック
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- 作者: 斉木久美子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/10/17
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そして物語はもう一人ヒロインの類希なる才能の片鱗が示唆されるところに進んできているが、いよいよその過去が、これまで何度となくほのめかされていた梨園との関係が語られようとしてきている。
いや、まだまだヒロインたちには才能はあれども、問題点も突きつけられてきている。卒業、そしてデビューまでの道はまだ長い。連載の方も続きが待ち遠しい。
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2015/12/28
- メディア: 雑誌
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余談。
集英社版、探し回ったんですよ。隣県まで探し求めて行きましたもの。
はてなブログは4周年! 私の変わったこと、変わらないこと
4年前と言えば2011年。どうしても忘れることができないのはあの大地震のことだ。
自分の人生の中で経験したことのない大きく長い揺れ。空港が閉鎖されたために東京の空をいつになく低く飛ぶジェット旅客機の姿。そんな光景を近くのビルから避難してきた人々と見まもる。
徒歩で帰宅しながらテレビ放送の音声だけを聞いていて伝えられてくる数多くの情報。帰宅してから見る映像の数々。いつまでも続く余震と緊急地震速報のアラート音。なかなか眠ることができない夜。電灯を灯したままでいる夜。
2011年は確実に、自分が考えていた「日常」が大きく変わった出来事を体験した年だった。
その日から4年半を過ぎ、今はどうだろうか。意識の表層では、そんな日常が変わったことを忘れている日々が続いているようにも思える。しかし実際に忘れてしまったわけではない。ことあるごとに思い出す。そして考える。まだ終わってはいないことを。まだ続いている。
そう、忘れてはいけない。まだ続いている。
それが今日。それが今。