「キング・オブ・アイドル」それで「K・O・I」

 週刊少年サンデー若木民喜の新連載が始まった。タイトルは「キング・オブ・アイドル」。

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 最初に出た告知カットでは「K・O・I」だけがあり、もしかしたら「恋」とかけているのだろうかと考えていたが、まずは略した頭文字で来ていた。
 でも題材は女子アイドルなのになぜにキング? その答えを示すものは連載初回の中にすでに示されている。



 一応内容に触れるので続きを読むメソッドを挿入したが、まだ初回だからその中での大きな仕組みについては触れないでおく。

 作品の舞台は「東京の中心にある街『神坂』」となっている。これは多分に作者が仕事場にしているであろう場所の近く、神楽坂だろう。1話の1stカットは明らかにJR飯田橋駅の西口だし、次のカットは内堀通りの交差点、地下鉄の飯田橋駅の出入り口も見えている。

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 そんな神坂にあるアイドル養成学校が舞台になることが示され、5人のヒロインがすでに登場してそれぞれに個性やバックボーンが描かれ始めている。実に手堅くそしてスピーディーに第1話は物語が転がり始めている。

 作者のブログを見ると、そのあたりはかなり計算して進めている様子が見て取れる。

:: 5/10:開幕・「キングオブアイドル」! | HoneyDipped ::

 王道! 素晴らしい! ほんとうに手堅く王道を押し進め……いや、初回からさっそくヒネりも混ぜてきてるから、そういうところも含めての王道かもしれない。


 個人的に目を引いたのは、アイドルが題材なのだから当然のごとくステージや歌も重要なメソッドになるはずで、それもすでに登場しているが、その見せ方だ。
 コミックで歌というと、現在アニメがオンエア真っ最中の「覆面系ノイズ」(福山リョウコ) があるが、それと対照的な手法をとっていて面白い。片や徹底的に歌詞を排除したスタイル。それとは真っ向からぶつかるがごとく歌詞をスタイリッシュに全面に出してくるスタイル。そこには何を伝えたいかを突き詰めた結果の手法なのだが、これからの王道物語がこのステージをどう展開させていくか、楽しみにしたい。