*[etc] 入れ替わり

地元の商店街の店、殊更に飲食店はそれなりに入れ替わっている。
まあそれは無理もないことであり、終始的に厳しくなったとか、体力的に厳しくなったとか、家庭の事情的に厳しくなったとか、それなりの理由もそこにはある。とはいえそうはわかっていても好きだった店がなくなってしまうと残念ではある。


しかしだ。「ああ、なくなったか」と冷めた気持ちしか思い浮かばなかったことがつい最近あった。
それはラーメン店なのだが、かつては「深夜にタクシーで帰宅すると、運転手が『○○○で食べていけるとはありがたい』と喜んだ」という噂もあったらしい。たしかに深夜遅くまで開いていたし、そういう点でも重宝がられたことだろう。
だがそれも先代の店主がいた時代のこと。その頃すでにだいぶ高齢の様子だったが、それでも一人厨房に立ち、こつこつとラーメンを作り続けていた。ある時期から姿を見かけることはなくなったので、ひょっとしたら亡くなられたのかもしれない。店を回すのは子供と思われる夫婦(それでもすでに中年の域に達している)に変わった。

正直なところ、代替わりしてから質は変わった。端的なところで、味噌ラーメンに乗せる具が、あるときには炒め物だったのが、あるときには茹でたものになっていたり、気まぐれそのものだった。そしてかの夫婦が別の飲食店で、混雑時にぷかぷかとタバコを吸っている姿も見かけた。これはもうダメだなと思っていた。


そして先日、店の前を通ってみたらテナント募集の貼り紙がされていた。さもありなん。
さあ、次はいったいどんな店になることだろう? 願わくば、安くて美味で遅くまで開いている飲食店になってくれると、それはそれはありがたいのだが。